保存と同期
Graphium はノートを自分が所有する場所に保存します。ブラウザのデータベース、またはディスク上のプレーンなファイルです。Graphium のクラウドもアカウントもありません。このページでは、環境ごとのデータの置き場所、その移動の仕方、アーカイブとゴミ箱がリンクを守る仕組み、チーム共有の使い方、そして全体のバックアップの取り方を説明します。
データの保存場所
| 環境 | ノートの保存先 | 届く範囲 |
|---|---|---|
| ブラウザ版 | そのブラウザのローカルデータベース(IndexedDB) | その端末のそのブラウザだけ |
| デスクトップアプリ | 書類フォルダの中の Graphium フォルダにあるプレーンなファイル(macOS では ~/Documents/Graphium/) | そのマシンだけ — ただし同期フォルダを指定すればどのマシンからでも |
ブラウザ版
ノートはブラウザ自身の IndexedDB に置かれます。データがマシンの外に出ることはありませんが、その保存領域は 1 つのブラウザプロファイルに属します。
サイトデータを消すとノートも消えます
ブラウザでこのサイトのデータを消したり、プライベートウィンドウを使ったりすると、そこに保存されていたノートは失われます。ブラウザ版で作業する場合は、定期的にバックアップをダウンロードしてください(下のバックアップを取るを参照)。
デスクトップアプリ
デスクトップアプリは、ファイルマネージャーで見える普通のファイルを書き出します。Graphium フォルダの中には、notes(ノート 1 件が 1 つの JSON ファイル)・media・wiki(ナレッジのページ)・skills・appdata のサブフォルダがあります。ただのファイルなので、どんなバックアップツールでも同期ツールでも扱えます。
保存先フォルダを変更する v0.3.10 (2026-04-25) で追加
デスクトップアプリでは、データフォルダごと移動できます。設定 → ストレージ → ローカル保存先 を開き、変更… を押します。現在のパスとデフォルトのパスが表示され、デフォルトに戻す で書類フォルダに戻せます。
切り替える前に知っておくことが 2 つあります。
- 既存のノートは自動では移動しません。作業を続ける前に、古いフォルダの中身を新しいフォルダにコピーしてください。
- 変更後は Graphium を再起動してください。そうすると全体に反映されます。
クラウドのアカウントなしで同期する
設定の説明文が言うとおりです。保存先を Dropbox・Google Drive・OneDrive の同期フォルダに向ければ、ノートはマシンをまたいでついてきます。OAuth も追加のサービスも要りません。Graphium 自身がクラウドと話すことはなく、同期はクライアントがやります。
著者情報
ノートには誰が書いたかが記録されます。設定 → ストレージ → あなたの identity を開き、表示名 と メール を入力して identity を保存 を押します。この情報は、共有したノートと PROV の来歴エントリ(誰が何を編集したかの記録 — ラベルと来歴を参照)に刻まれます。自己申告で、背後にログインや検証はありません。
チームとノートを共有する(後述)には、先に identity の登録が必要です。
ノート一覧のインデックス
ノート一覧は、ノートファイルに対する軽量なインデックスから作られます。Graphium は作業中もこれを最新に保ちます。もし失われたり古くなったりしても、次にアプリを読み込んだときに自動で作り直されます。正しさの源は常にノートファイル自身です。一覧が古くなったり壊れたりしても再起動で直り、アーカイブやゴミ箱のフラグも作り直しを越えて残ります。
アーカイブとゴミ箱
ノートをそのまま消すと、そのノートを指していたリンクと引用がすべて切れてしまいます。そのため Graphium は 2 種類のソフト削除を使います。
| 操作 | 何が起きるか | リンクは生きるか |
|---|---|---|
| アーカイブ | 一覧からは隠れるが、完全に読める状態で残る | はい — 参照も引用も解決し続ける |
| ゴミ箱へ移動 | ノートは退役し、復元バナー付きの読み取り専用で開く | いいえ — そのノートへのリンクは切れた扱いになる |
どちらもノートの ⋯ メニューにあります。アーカイブ と ゴミ箱へ移動 です。ゴミ箱に移すノートを他のノートが参照している場合、Graphium は実行前に何件のリンクが切れるかを警告します。
戻したいときは、サイドバー下部の ゴミ箱・アーカイブ を開きます。ゴミ箱 タブ(復元 と 完全に削除)と アーカイブ タブ(アーカイブから復元 と ゴミ箱に送る)があります。ゴミ箱やアーカイブのノートを直接開いた場合も、⋯ メニューに ゴミ箱から復元 / アーカイブから復元 が出ます。
破壊的なのは 完全に削除 だけです。デスクトップアプリでは OS のゴミ箱に送られますが、ブラウザ版では即座に削除され、元に戻せません。
メディアにも同じ保護があります。素材ライブラリから、ノートや保存済みの版がまだ参照しているファイルを削除しようとすると、代わりに アーカイブ(推奨) が提示されます。一覧からは隠れますが、それらの参照は生きたままです。
チームとノートを共有する v0.6.0 (2026-05-05) で追加
共有は、チーム全員が届くフォルダにノートのコピーを公開します。研究室の NAS、Dropbox の同期フォルダ、どんな共有ドライブでも構いません。今のところデスクトップ限定です。ブラウザ版はローカルフォルダを読み書きできません。

共有フォルダを設定する
設定 → ストレージ → 共有ストレージ で:
- 共有フォルダ を選びます。公開したノートが置かれる、チームから見える場所です。
- 必要なら Blob フォルダ(大容量バイナリ用) も選びます。メディアの実体が置かれる場所です。画像・PDF などを埋め込んだノートには必要ですが、URL のブックマークには不要です。
- 接続テスト を押すと、そのフォルダに対して往復テスト(write → read → verify → delete)を実行します。
先に identity を保存しておく必要があります。共有エントリには著者の名前とメールが付くためです。
公開と取り下げ
ノートの ⋯ メニューを開き、チームと共有 を選びます。ノートに 共有済み のバッジが付き、チームメイトの共有ライブラリに現れます。メディアを含むノートを共有すると、ファイルは自動で Blob フォルダにコピーされます。手で添付する必要はありません。
共有されたコピーはスナップショットです。更新するには、ローカルのノートを編集して同じメニューから 共有コピーを更新 を選びます。取り下げるには、共有ライブラリの Unshare(共有解除)を使います。他のメンバーがすでに見た・キャッシュした・fork した可能性があるため完全には抹消できない、と Graphium が警告します。
ナレッジページも共有できます v0.44.0 (2026-08-25) で追加
要約・知見・洞察のナレッジページも、ノートと同じように共有できます。ページの ⋯ メニューから チームと共有 を選ぶと、共有ライブラリの Knowledge タブに、共有ノートと並んで現れます。共有コピーを更新 と Unshare(共有解除)も、ノートと同じように使えます。
Fork したページが入るのは、ノートではなく自分のナレッジです。自分の知見・洞察と同じ場所に並び、検索やグラフにも加わります。一方で、来歴は引き継ぎません。共有されたページの「派生元」は作った人の手元にあるノート・チャット・知見を指していて、その ID はこちらでは何も指さないからです。Fork は来歴を空にした状態から始まり、代わりに「どこから来たか」を記録します。こうすることで、行き先のない参照や、別のページを指してしまう参照が残りません。本文・意味づけの型・手で直した箇所は、そのまま届きます。世界照合の結果と検索用の埋め込みは引き継がず、こちら側で作り直します。
まとめて共有する v0.44.0 (2026-08-25) で追加
ノート一覧でノートを、ナレッジの一覧でナレッジページをチェックボックスで選ぶと、一括操作のバーに件数つきの 共有 ボタンが加わります。共有は 1 件ずつ順に進み、終わると内訳が出ます。新しく共有した件数、すでに共有していたものを更新した件数、そして失敗した件数とその理由です。1 件失敗しても残りは止まりませんし、途中でキャンセルもできます。そこまでに共有できたものは、そのまま残ります。
このボタンが出るのは、デスクトップ版で共有フォルダと identity を設定したあとです。共有されるのは保存済みの内容なので、編集中のノートは先に保存してください。
見る・fork する
共有フォルダを設定すると、サイドバーに ライブラリ セクションと 共有 の項目が現れます。チーム全員が共有したもの(ノート・ナレッジページ・文献・データファイル)が、種類ごとのタブに並びます。他人のエントリは読み取り専用です。Fork を押すと、自分のストレージにコピーして自由に編集できます。持っているメディアは自動でローカルのライブラリに実体化され、fork にはその出どころが記録されます。
ノートから共有エントリを引用する v0.31.0 (2026-08-12) で追加
ノート内で / を打って 共有エントリを引用 を選ぶと、共有されたノート・文献・データファイルを指す引用カードを挿入できます。カードにはタイトル・作者・日付と照合バッジが表示されます。カードは参照としてノートに残り、実体は共有フォルダ側にあります。ノート側には表示用の軽いスナップショットだけを保存するので、共有フォルダに接続できないときもカードは表示されます。
バッジは共有側の状態を示します:
- 照合済み — 共有側の内容が記録された指紋(hash)と一致しています。
- 内容に差異 — 指紋が一致しません。Graphium を通さない書き換えや破損の可能性があります。
- キャッシュ表示 — 共有フォルダに接続できないため(NAS 未マウントなど)、スナップショットで表示しています。
- 見つかりません — エントリが削除または共有解除されています。
作者がエントリをその場で更新すると、カードは自動で追従します。大きな改訂(新版)が公開された場合は、カードは引用した版を指したまま 新しい版があります と知らせます — 過去の解析が知らないうちに変わることはありません。カード右端の矢印を押すと共有ライブラリでエントリを開けます。引用はノートの来歴にも記録され、エクスポートした証拠バンドルに「どの共有エントリを使ったか」が残ります。
ライブラリから引用リンクをコピーする v0.44.0 (2026-08-25) で追加
反対側から始めることもできます。ライブラリ → 共有 でエントリの 引用リンクをコピー(カードの上でも、詳細パネルでも押せます)を押し、そのリンクをノートに貼り付けてください。スラッシュメニューから入れたものと同じ引用カードになり、バッジのふるまいも同じです。
貼り付ける形にしているのには理由があります。ライブラリは画面全体を使うので、見ているあいだは貼り先のノートが見えません。先にエントリを探しておいて、置き場所はあとから決められるようにしました。リンクはただの文字列なので、チャットやメールでチームメイトに渡すこともできます。同じ共有フォルダを見ている相手なら、自分のノートに貼るだけで同じカードになります。
エクスポート
すべてを開かれた形式で Graphium の外に出せます。ノート単位でも、一括でも可能です。
ノート単位では、⋯ メニューに次の項目があります。
| メニュー項目 | 出力 |
|---|---|
| 印刷・PDF | 来歴グラフを含む、描画されたノート。システムの印刷ダイアログが開くので、ページを確かめてから PDF として保存できます。文字は選択・検索できる形で残ります |
| Markdown | 持ち運べる .md ファイル |
| PROV-JSON-LD | ノートの来歴グラフを W3C PROV 形式で |
Markdown は元々「見た目」を持ち運べない形式です。ブロックが「何であるか」は残りますが、「どう見えていたか」は残りません。数式は LaTeX のソースとして、計算ブロックは式と求まった値として、チャートはキャプションと「何を何に対して描いたか」として書き出されます。図そのものは持ち出せないものの、元になった表は普通の Markdown の表として残ります。
すべてを書き出す v0.16.10 (2026-07-03) で追加
設定 → ストレージ → エクスポート / バックアップ には、一括のボタンが 2 つあります。
- 全ノートを書き出す (Markdown) — すべてのノートを Markdown にした ZIP。どこでも読めます。
- バックアップをダウンロード (JSON) — すべてのノート・ナレッジのページ・スキルドキュメントの生データ(
.graphium.json)の ZIP。アーカイブとゴミ箱の中身も含みます。無劣化の選択肢です。
メディアファイル(画像・PDF)はどちらの ZIP にも含まれません。それらは次に説明する方法で別にバックアップしてください。
バックアップを取る
- ブラウザ版: 定期的に バックアップをダウンロード (JSON) を押してください。サイトデータが消えたときの唯一の安全網です。まとまった量を書いたあとは、その都度取り直してください。
- デスクトップアプリ: データは Graphium フォルダのプレーンなファイルです(移動していなければ
~/Documents/Graphium/)。そのフォルダをmediaサブフォルダごとコピーするバックアップツールなら、それだけで全部が入ります。保存先を同期フォルダに向けておけば、マシン外の控えが常時できあがります。
どの環境でも、ときどき バックアップをダウンロード (JSON) を押しておくのは安い保険です。ノート・ナレッジ・スキルが 1 つのファイルに収まり、実データがどこにあるかに依存しません。
