AI アシスタントから使う(MCP)v0.46.0 (2026-08-28) で追加
Graphium は MCP サーバーとしても動きます。Graphium の外にいる AI アシスタント — Claude Desktop、Claude Code、その他の MCP クライアント — が、あなたのノートの中を見たり、新しいノートを書き足したりできるようになります。
「AI のセットアップ」の MCP サーバーとは逆向きの話です
あちらは Graphium がクライアントになって、自分の AI チャットから外のツールを呼びに行く設定です。このページは Graphium がサーバーになって、外のアシスタントがあなたのノートを見に来る設定です。両者は独立しているので、どちらか一方でも、両方でも、どちらも使わなくても構いません。
Graphium を開いて、目当てのノートを探して、手順をチャット欄に貼り付ける、という手間の代わりに、アシスタントに直接尋ねられます。
「CuGaTe2 をボールミリングしたときの条件は?」
アシスタントはあなた自身のノートから答えを読み、どのノートから来たのかも一緒に示します。
どんなときに役立つか
- 自分のノートに質問する。 アシスタントが一般知識から推測するのではなく、あなたの記録を検索して答えます。
- 自分の実験どうしを比べる。 「グラファイトダイを使った試行はどれか」は、一般的なモデルには答えられず、あなたのノートには答えられる問いです。
- 手順を会話に持ち込む。 手順は順番どおりに返り、それぞれの材料・道具・条件が付いてきます。
- 結論を書き戻す。 会話の中で残す価値のあるものができたら、アシスタントが新しいノートとして書き込めます。
ノートは、アシスタントが読み取った答えという形以外では手元から出ません。また Graphium が起動している必要はありません。サーバーがノートのファイルを直接読むため、アプリを閉じたままでも動きます。
設定する
Node.js 20 以降と、Graphium のソースコードが必要です。
1. サーバーをビルドする。 Graphium のフォルダで実行します。
pnpm install
pnpm bundle:mcpdist-mcp/graphium-mcp.mjs という 1 つのファイルができます。
2. クライアントに登録する。 Claude Desktop なら、設定 → 開発者 → 構成を編集 を開いて graphium の項目を足します。
{
"mcpServers": {
"graphium": {
"command": "node",
"args": ["/absolute/path/to/Graphium/dist-mcp/graphium-mcp.mjs"]
}
}
}パスは相対パスではなく、フルパスで書きます。Claude Code の場合は代わりに claude mcp add graphium -- node /absolute/path/to/Graphium/dist-mcp/graphium-mcp.mjs を実行します。
3. クライアントを再起動する。 Claude Desktop は、新しい会話を始めるだけでなく、アプリごと再起動する必要があります。
ほかの MCP クライアント
ここに Claude 固有のものはありません。Graphium は標準のプロトコルを stdio で話すので、ローカルの MCP サーバーを起動できるクライアントであれば動きます — Cursor、VS Code、Zed、Cline など。どのクライアントでも必要なのは同じ 2 つ、node というコマンドと、graphium-mcp.mjs へのフルパスです。
それをどこに書くかはクライアントによって違い、しかもこの設定はバージョンによって移動しがちです。正確な場所と書式は、お使いのクライアントの MCP ドキュメントを確認してください。上の mcpServers の JSON をそのまま受け取るものも多くあります。
| クライアント | 追加のしかた |
|---|---|
| Claude Desktop | 設定 → 開発者 → 構成を編集 |
| Claude Code | claude mcp add graphium -- node <パス> |
| Cursor / VS Code / Zed / Cline など | それぞれの MCP 設定(多くは同じ形の JSON) |
制約が 2 つあります。サーバーはローカルのプロセスとして動きます(接続先の URL があるわけではなく、リモート HTTP には対応していません)。また、クライアントを動かすマシンに Node.js 20 以降が必要です。ノートは手元のディスクにあるので、クライアントも vault と同じマシンにいる必要があります。
サーバーは既定で ~/Documents/Graphium を読みます。⚙ 設定 → 一般 で Graphium のフォルダを変更している場合は、その設定に自動で従います。別の場所を明示したいときは env を足します。
{
"mcpServers": {
"graphium": {
"command": "node",
"args": ["/absolute/path/to/Graphium/dist-mcp/graphium-mcp.mjs"],
"env": { "GRAPHIUM_ROOT": "/Users/you/Dropbox/Graphium" }
}
}
}アシスタントにできること
7 つのツールが使えます。名前を指定して呼ぶ必要はありません。普通の言葉で尋ねれば、アシスタントが選びます。
| ツール | こんな尋ね方 |
|---|---|
search_notes | 「熱電特性の測定について書いたノートを探して」 |
get_note | 「そのノートを見せて」 |
get_note_steps | 「手順を条件込みで教えて」 |
find_notes_using | 「プラネタリーボールミルを使った実験はどれ?」 |
list_entities | 「私のノートにはどんな材料や装置が出てくる?」 |
trace_lineage | 「この結論はどこから来たの?」 |
create_note | 「これをノートとして保存して」 |
検索はタイトル・本文・手順名・ラベルを対象にします。日本語も分かち書きなしで検索できます。アプリ本体と同じ区切り方を使っているので、Graphium で見つかるものはここでも見つかります。
返ってくる答えにはノート ID とブロック ID が付いています。アシスタントは出どころを正確に示せますし、あなたはその箇所を Graphium で開けます。
返ってくるものの例
手順を尋ねると、順番と、各手順が何を使ったかが返ります。
# 多結晶CuGaTe2のボールミリング条件と熱電特性 の手順(9 件)
1. 溶融 [blockId: 801e35ed-…]
material: Cu, Ga, Te
tool: シリカ管
attribute: 99.99%, 99.999%
純度99.99%のCu、純度99.99%のGa、純度99.999%のTeをシリカ管に封入し、直接反応によって溶融する。
3. ボールミリング [blockId: b2cd7d10-…]
material: 粉末
tool: プラネタリーボールミル, WC ボール
attribute: rpm: 300, ball-to-powder ratio: 2:6:1, atmosphere: Ar, time: 0 h同じ装置を使ったノートを尋ねると、その一覧が、ノートごとの該当ブロックつきで返ります。
■ tool: グラファイトダイ — 3 ノート
- 多結晶CuGaTe2のボールミリング条件と熱電特性 [noteId: 70ac6b8a-…, blockId: 540904a1-…]
- CuGaTe2 のボールミリング条件が熱電特性に与える影響 [noteId: 585e605f-…, blockId: d22a6e98-…]尋ねてみるとよいこと
ツール名を指定する必要はありません。普通の言葉で尋ねれば、アシスタントが選びます。次のような問いが向いています。
- 「グラファイトダイを使った実験はどれ?」 — 一般的なモデルには答えられない比較です。あなたの記録が要るためです
- 「CuGaTe2 のボールミリングの手順を、各ステップの条件つきで教えて」 — 手順を会話に持ち込んで、そこから条件を変えて考えられます
- 「私のノートにはどんな装置や材料が出てくる?」 — 自分が何を記録してきたかの輪郭が見えます
- 「今回は 873 K でやった。前回までと比べてどう?」 — 自分のノートを基準線にして考えられます
- 「この結論はどこから来たの?」 — 来歴をさかのぼって、派生元のノートまで辿ります
- 「いま整理できたことを、こういうタイトルでノートにして」 — 会話の結論を手元に書き戻せます
出どころのノートを一緒に尋ねる癖をつけておくとよいかもしれません。アシスタントは ID を持っているので「それはどのノート?」には必ず答えられますし、Graphium で開いて確かめられます。
ラベルがあると効き方が変わります
find_notes_using と list_entities は、ノート本文に付けた 材料 / 道具 / 条件 / 出力 のハイライトを読みます。まだ何もラベルを付けていない場合、この 2 つは材料を持ちません(検索と残り 5 つはそのまま使えます)。
ここがラベルを付けることの見返りです。いくつかのノートが同じ装置の名前を持つようになると、「この装置を使った実験はどれだったか」を、そのまま尋ねられるようになります。ラベルと来歴も参照してください。
あえてやらないこと
既存のノートを書き換えることはありません。 create_note は新しいノートを足すだけです。MCP 経由でアシスタントが行うどの操作も、あなたが書いたものを上書きしません。
来歴を作り出すことはしません。 実験について会話すれば来歴グラフができあがる、と期待されるかもしれませんが、そうはしていません。これは意図的なものです。来歴は、実際に起きたことの記録です。会話から組み立て直したグラフは、見た目は同じでも意味が違います。それはあなたの手順についての推測であり、照らし合わせる相手がありません。Graphium は、エディタであなたが行ったことから来歴を記録します。モデルが「たぶんこうしたのだろう」と推測したものからは記録しません。
一方で、書き込みが起きたという事実そのものは自動で記録されます。MCP 経由で作られたノートには、誰の依頼で、どのクライアントを通って、どのモデルが書いたのかが残ります。これは推測ではなく観測なので、記録として残せます。
MCP で作ったノートは再読み込み後に現れます。 ノート一覧はアプリ側が組み立てるため、Graphium を開いたまま書き込んだノートは、次に再読み込みするか再起動したときに一覧に出ます。
うまくいかないとき
クライアントに Graphium のツールが出てこない。 設定のパスがフルパスになっていて、実在する graphium-mcp.mjs を指しているかを確認し、クライアントをアプリごと再起動してください。Claude Desktop では 設定 → 開発者 でサーバーが起動したかどうかを確認できます。
ツールが「vault が見つかりません」と答える。 ノートのフォルダを見つけられていません。env の GRAPHIUM_ROOT に、notes/ を含むフォルダを指定してください。
ノートがあるのに検索で何も出てこない。 サーバーは最初の検索時に自前の索引を組みます。ノートが多いと 1 秒ほどかかります。それでも空のままなら、指定したフォルダが Graphium の実際の保存先かどうかを確認してください。現在のパスは ⚙ 設定 → 一般 に表示されています。
関連ページ
- ラベルと来歴 —
find_notes_usingが読むラベルについて - 保存と同期 — ノートがディスク上のどこにあるか
- AI のセットアップ — Graphium 内蔵の AI について(こちらとは別のものです)
