よくある質問
よく届く質問——特にナレッジ層の「なんでそうなったの?」——に正面から答えるページです。Graphium の設計方針は、ここで出会う数字をすべて 自分で決めたコスト か 手持ちのコーパスから実測された値 のどちらかにすること。隠れた品質フィルターは置きません。各質問をクリックすると答えが開きます。
洞察があまり生成されないのはなぜ?
洞察は抽象化です。モデルが知見を読み、元の文脈の外でも通用する規則(「可搬性テスト」)を取り出そうとします。あまり出ないときは、次の順で確認してみてください。
- 知見は収束していますか? 一回きりの事実の寄せ集めには、抽出できる繰り返しのパターンがありません。モデルには 無理にひねり出すより空のリストを返すほうがよい と明示的に指示してあるので、コーパスが若い・散らばっているうちは 0 件が正直な答えということもあります。複数の知見が同じ規則の周りに集まりはじめると、洞察が生まれます。
- 抽象化を担うモデルはどれですか? 洞察の生成には設定の 洞察の発見 セクションの 洞察モデル が使われます(未指定ならチャットモデル、さらにデフォルトモデルへとフォールバック)。抽象化はパイプラインの中でいちばん難しいステップで、小さなローカルモデルは、強いモデルなら見つけるパターンでも空のリストや知見の言い換えを返しがちです。ここには最上位級のモデル(例: Claude Opus / Claude Sonnet)をおすすめします——「推論対応」や大きさだけでは足りないことがあります。目安の表は AI のセットアップにあります。洞察が少ないと感じたら、強いモデルを割り当てて発見をもう一度実行してみてください——同じコーパスで、変数はモデルだけ。強いモデルでも何も出なければ、限界はソフトウェアではなく素材の側にあります。
- 新規ではなく「支持追加」になっていませんか? 既存の洞察と embedding が似ている候補は、自動でそのまま取り込まれるわけではありません——embedding の一致は「候補」を絞り込むだけで、本当に同じ主張か・矛盾しているか・実は別物かは AI が判定します。同じなら支持追加(結果パネルに 支持追加 として件数が出ます)、矛盾なら両方の洞察をそのまま残し点検タブに矛盾として出ます、実は別物なら新規ページになります。支持追加が出ているなら発見は機能しています——洞察が増える代わりに、手持ちの洞察が強くなっているだけです。
- 本当に全部見終わっていますか? スキャンは実測カバレッジを 視野 n/m 件 として報告します——手持ちの知見のうち、少なくとも一度は視野に入った数です。取り込み時のスキャンには予算があるので(下の質問を参照)、大きなコーパスは設計上、一度の取り込みでは一部しか見ません。全体をくまなく見たいときは、設定 → ナレッジ管理 の 知見をまたぐ洞察を発見 を実行してください。実行前に全件を視野に入れるのに必要な LLM 呼び出し回数の実測値が表示され、終了後には到達したカバレッジが報告されます。
Graphium がこっそり件数を制限していませんか?
していません。品質を理由に黙って捨てる処理はありません。モデルの確信度(confidence)は記録・表示されるだけで、候補の破棄には使われませんし、スキャンが作るべき件数の下限・上限もありません。知見も同じで、抽出器には「持ち運べる主張はすべて収穫する。固定の上限はない」と指示してあります。
存在する数字は次の 3 種類に分かれ、それぞれ理由を確認できます。
| 数字 | 何か | なぜあるか |
|---|---|---|
| 取り込み時のスキャン回数(既定 3) | 設定 → AI にあるユーザー設定。1 回のスキャン = 知見のクラスタ 1 つに対する LLM 呼び出し 1 回 | コストの制御——決めるのはあなたです。 0 にすれば取り込み時のスキャンを止められます。結果には必ず実測カバレッジが表示されるので、どこまで見た・見ていないが分かります |
| 全件カバーに必要な回数 | 知見をまたぐ洞察を発見 の確認ダイアログに表示 | 設定値ではなく実測値。 知見の分布から計算され、すべての知見が一度は視野に入るまでスキャンが回ります |
| 1 回の呼び出しは知見 50 件まで・本文は先頭のみ | 内部のスライスサイズ | コンテキスト長の保護 ——これ以上入れるとモデルの入力から静かに溢れます |
| チャットに渡す文脈の予算(ナレッジ 2000 字・ノート/素材 1600 字・1 断片 700 字) | AI チャットが根拠として読む断片の文字数の上限 | コンテキスト長の保護 ——「ここまでしか根拠に使わない」という品質の線引きではなく、モデルの入力から静かに溢れないための予算です。件数の上限ではありません |
| AI が自分で検索し直す をオンにしたとき: AI が行う 1 回の検索は上と同じ予算、開いたページは 6,000 字まで読む、1 つの質問で道具を呼ぶのは 3 回ほどまでと AI に頼む、アプリから 30 秒答えがない道具の呼び出しは飛ばす | AI チャットの試験的な agentic search(設定 → AI → 試験的な機能、既定オフ) | コンテキスト長と待ち時間の保護。 追加の検索は最初の検索と同じ索引・同じ順位づけを使うので、最初の検索で届かないものには届きません。言い換えて聞き直すことと、ページを全文で読むことができるようになるだけです。答えを決めるのはモデルで、何も書き換えません |
| AI チャットに渡すナレッジの一覧はタイトルのみ・要約(旧種別)は載せない | 全ページを俯瞰する <wiki-index> の作り方 | コンテキスト長の保護。 各ページの本文プレビューまで載せると大きな vault では入力が膨らみすぎます。一覧は全ページを漏らさず載せたまま、プレビュー相当は検索で見つかった断片が別途文脈として渡ります |
| 検索結果の突き合わせに渡す候補 20 件 | 語彙検索と埋め込み検索の順位を融合するときの候補プール | 組み立てコストの蓋です。 検索そのものは両方とも全件を見ています。ここを絞っても取りこぼしは増えず、最終的に渡す断片は上の文字数の予算が決めます |
| 埋め込み検索に渡す質問文は 1000 字まで | 埋め込みモデルへの入力の切り詰め | 物理的な制約です —— multilingual-e5-large の入力上限は 512 トークンで、長い引用や貼り付けが混ざったときに検索ごと失敗しないよう先頭を残して切ります |
| 重複判定のしきい値(embedding 類似度) | 既存の洞察との「一致候補」を絞り込む(最終判定ではない) | これは候補探しであって、判定ではありません。 embedding は否定や向きの違い(「下がる」と「上がる」)に鈍く、そのまま重複扱いにすると矛盾する洞察が支持として統合されてしまいます。絞り込んだ候補ペアは AI が同じ / 矛盾 / 別物を判定してから振り分けます——同じなら支持追加(一致した洞察が新しい裏づけの知見を得る)、矛盾なら両方の洞察をそのまま残し点検タブに 矛盾 として出す(両方を開いて見比べられる)、別物なら新規ページ。embedding モデル未設定のときは候補探し自体が素通りし、全部新規扱いです |
| ノートは省かずに読む(step の中身・入れ子・表も) | 知見の抽出・トピック段・出典照合がノートから読む本文 | 絞り込みはありません。ノートのすべてのブロックを読みます。 step の中身はタイトルの下に、入れ子の項目は親の下に字下げして並べ、表は長さにかかわらず 1 行ずつ(セルは縦棒で区切って)読みます。そのため長い表を含むノートは、文章の量から見込むより窓と AI 呼び出しが増えます。以前のバージョンは step の中身・入れ子・表をこの本文に入れていませんでした。修正前にそうしたノートから作ったナレッジは、ノートのヘッダーの ナレッジに追加 でもう一度取り込むまで、そのままです(複数のノートをまとめて取り込むときは、前回から変わっていないノートは外れます) |
| 長い資料は 4,000 字の窓に分けて読む(重なり 400 字) | トピック段が資料を読む前に分ける処理 | コンテキスト長の保護で、読む範囲を狭める上限ではありません。 窓 1 枚に収まる資料は今までどおり 1 回で読みます。長い資料は文の切れ目に寄せて分け、すべての窓を読むので、どこかから先が読まれないことはありません。窓ごとに振り分け・改訂するため、長い資料は長さに比例して AI 呼び出しが増えます——進捗には窓の枚数が出て(32 枚中 5 枚目)、停止は次の窓の境目で効きます。窓が増えればトピックも増えることがありますが、これは粒度の話で、絞り込みではありません。似たトピックは裏で勝手に統合せず、トピックを整理・点検タブが拾います。1 つの窓が触るトピックの改訂は 4 本まで同時に走ります(待ち時間が変わるだけで、読む範囲は変わりません) |
| トピックの振り分け | 取り込んだ資料がどの既存トピックを改訂し、どの新規トピックを作るかを決める | しきい値は一切ありません。 資料の本文(長い資料は窓 1 枚ずつ)と既存トピックの一覧(タイトル+定義の 1 文)を AI に渡し、「同じ概念か新規か」を AI 自身に判断させます——embedding 類似度もタイトルの正規化一致も使いません。すり抜けた重複はトピックを整理・点検タブが後から拾います |
| トピックを資料から作り直すときの呼び出し回数 | 「資料から作り直す」(トピックページ自身の再生成、手入れの旧形式トピックまとめ、資料の一部が見つからない項目の手当てのいずれも)の確認ダイアログに表示 | 実測であり、決め打ちではありません — そのトピックが引用する資料 1 件につき 1 回で、実行前に計算して見せます。自動では動かず、必ずボタンを押した人が起動します |
| 1 回の呼び出しで候補 0〜8 件・洞察 1 件の関係は 3 本まで | プロンプト側のレンジ | 出力の暴走ガード です。ナレッジの上限ではありません——スキャンを重ねれば見つかったものは追加されていきます |
| スキャンには知見が 2 件以上必要 | 実行の前提条件 | 知見をまたぐパターンには、またぐ相手が要ります。知見が 1 件では、まだ突き合わせる対象がありません |
| 実在しないソース ID の候補は破棄 | パーサのガード | ハルシネーション防御 ——存在しない知見を引用する候補は、壊れた参照つきで保存する代わりに破棄されます |
| 点検の「古い項目」「冗長」に日数・重なり率のしきい値は無い | ナレッジの手入れの点検タブのロジック | 判定であって、しきい値ではありません。 「古い項目」は、後から作られた具体的な知見・ノートに追い越されていると AI が指摘できたときだけ検出されます——経過日数だけでは検出されません。「冗長」は、表現や粒度の違いを超えて同じ主張を指しているときだけ検出されます——主題が重なっているだけでは検出されません |
| フル点検が AI に渡すページの中身を絞っている | フル点検(AI 解析)が問題・次に調べることを判定する前の入力の組み立て | 数値のしきい値ではなく、種類で絞っています。 生成を止めた旧種別の「要約」は渡さず、知見はタイトルだけ渡します(知見のタイトルは命題そのものなので、本文のプレビューは重複でした)。トピック・問答(Q&A)・洞察は今までどおり本文のプレビューつきです。実データ規模(約 900 ページ)で LLM への入力は約 15.7 万トークンから約 6 万トークンに減りました |
| フル点検は約 7.2 万トークンずつに分けて送る | ナレッジが 1 回で送れない大きさになったときの、フル点検(AI 解析)の送り方 | どのページも点検します。件数で削ることはしません。 ナレッジが大きいと(数千ページで 30 万トークンを超えることがあります)、Graphium の見積もりで約 7.2 万トークン(取り込みと同じ予算)ずつに分けて順に送るので、128K のモデルでも点検できます。トピックとその知見はいつも同じ部分に入るので、重複を見落とすのは 2 つの部分の境目をまたぐときだけです。一部が失敗しても、ほかの部分の結果は表示し、何回のうち何回ができなかったかを伝えます |
| 「次に調べること」の件数に上限は無い | フル点検(AI 解析)が挙げる次に調べる価値のある問い | 質で絞っていて、件数では絞っていません。 答えが分かれば既存のページの記述が変わる・新しいページが要るようになる問いだけを挙げるよう求めていて、一般論やすでにページに書いてあることの言い換えは対象外です。追加の AI 呼び出しはありません——フル点検の呼び出し(分けて送るときは部分ごと)に相乗りしています |
| フル点検に渡すログ: 直近 7 日分 | フル点検が「次に調べること」の優先づけに使う、直近の取り込み・問答作成などの活動ログ | 件数の上限ではなく、期間で切っています。 7 日は「1 週間」という自然な単位で、これより古いログは渡しません。ログは問いの優先づけの材料としてのみ使い、問題(issue)の判定には使いません。クイック点検(機械判定のみ)では渡しません |
| 出典照合自体は新しい数字を持たない | 実行前に表示される判定回数 | 設定値ではなく実測値です——関わる出典の数で、上の洞察発見の呼び出し回数と同じ考え方で数えます。出典を取り出せなかった分は判定せずに飛ばすので、実際の回数は表示より少なくなることがあります |
| 出典照合が読み直す原文に上限は無い | 引用元のノート・PDF・Word ファイル・URL を照合のために読み直す処理 | 資料の全文を読みます——出典照合が独自に足す上限はありません。PDF も全文で、トピック段が窓に分けて読むのと同じ範囲です |
| 1 回の呼び出しで全文を渡す経路だけ、PDF の本文を 80,000 字で打ち切る | 知見の抽出・PROV 取り込み・複数の資料からページを作り直す処理・資料ごとの要約ページ | 窓に分けない経路のためのコンテキスト長の保護です。 おおよそ 60〜90 ページぶんで、この 4 つには「どこまで読んだか」を伝えています(要約ページは最後の 1 文でそのことを書きます)。トピック・出典照合・検索インデックスには上限はなく、資料の全文を読みます |
| 自動で出典照合するは既定オフで、動いたときだけ AI を呼ぶ | 設定の自動で出典照合するトグル | オプトインであって、裏で常時動く既定値ではありません。 オンにすると新規・更新された知見とトピックを 1 件ずつ・出典 1 件ごとに AI を呼んで照合します——オンにしない限り一切動きません |
| 中身の無いノート・URL・PDF・Word・チャットは AI を呼ばずに「内容不足」で終える | すべての「ナレッジに追加」の入口 | 唯一の入口の関門で、機械的な判定です(内容の良し悪しは判定しません)。 空文字・空白だけ・ゼロ幅スペースなどの不可視の書式文字だけの文字列を「中身が無い」とみなします——ノート・URL・チャットは、ほかの文字が 1 つでもあれば必ず AI まで届きます |
| PDF と Word は、読み取れた文字が 50 字に満たないと材料にしない | PDF・Word の「ナレッジに追加」と、資料を読み直してページを作り直す処理(PDF・URL の資料) | 文字を読み取れなかったファイル(画像だけの PDF など)を見分けるための下限です。 不可視の書式文字は数えません。50 字以上あれば、内容にかかわらず AI まで届きます |
| 知見の構造(判断・規則・観察の frame)は、原文に逐語で見つかる引用だけを残す。正規化後 6 文字未満の引用は検証できないので捨てる | 取り込み時の知見の抽出。既存ページ向けに、知見一覧の「…」メニューから任意で実行する「知見の構造を付け直す」(本文は変更せず、先に版を取る) | 捏造を防ぐ守りで、品質による足切りではありません。 引用の欄(行動・理由・メカニズム・該当箇所)が原文に見つからなければその欄を捨てます——知見そのものは捨てません。捨てた件数は取り込み完了の表示に出ます。項目・値・単位は、引用した該当箇所の中に出てくる必要があります。変化の向き(上がる/下がるなど)は文字で照合できないので、抽出されたまま受け入れます。向きは利用者が確認してください |
| 「知見の構造を付け直す」では出典 1 件あたり 40,000 文字まで読む | 既存の知見(知見一覧)に構造を付け直すとき、モデルに渡す出典の本文 | コンテキスト窓の保護で、切ったことは必ずお見せします。 それより長い出典は 40,000 文字で切り、切った出典は結果ダイアログ(「…」メニューの「前回の結果を見る」)に一覧します。切った範囲にある引用は逐語で見つからないため推測せず落とします(知見そのものは落としません)。ゴミ箱・アーカイブの知見は付け直しの対象にしません |
| 資料から知見を取り出すとき、AI に見せる既存の知見一覧は予算に収める(指示文・一覧・本文あわせて目安 72,000 トークン) | 新しい知見をどの既存の知見に統合するか、AI が選べる範囲 | コンテキスト窓の保護で、外したことは必ずお見せします。 一覧に載せるのは知見だけで(トピックは別の段で振り分けます)、長い id の代わりに短い番号を付けます。収まるうちは全部載せます。モデルの入力から溢れそうなときは、資料の本文と言葉の重なりが多い知見から順に載せ、残りは外します。外した件数は取り込みの完了時に表示します。外した知見には統合しないので、そこで生まれた重複は点検で拾います |
| 手入れの操作の取り消し用の写しは 365 日で削除される | 手入れの操作の取り消し(統合・話題を整理・資料から作り直す・アーカイブ・版に戻す) | 保存量を増やし続けないためです。 写しは、操作が書き換えたページ 1 件ごとの全文の写しです。365 日は写しを保管する期間で、写しが削除されるとその操作は一覧から消え、取り消せなくなります |
| 会議の文字起こしは約 20 秒の窓ごとに、会話の間で切って読む | 録音中の文字起こし(音声ノートの録音)と、録音のあとの文字起こし | 進め方の都合で、文字起こしできる量の上限ではありません。 窓がたまるごとにその場で文字にするので、会議に遅れずについていけます。残りは録音を止めたあとに仕上げます。20 秒たまったら、先頭 10 秒より後ろで、最後の会話の間(0.3 秒以上の静けさ)の真ん中で窓を切ります。発言の途中で切らないためです(途中で切ると、切れ目の前後の語が崩れました)。間が無ければ 40 秒まで待ち、それでも無ければいちばん静かな所で切ります。追いつけないときは溜まった分をまとめて最大 180 秒で処理します。飛ばされる区間はありません。言語を「自動」にすると、会話の間(無音)で窓を片に切り(片は最長 20 秒・最短 2 秒)、片ごとに言語を判定して文字にします。1 つの片の中で言語が混ざると、少数側の発言が落ちることがあります。自動判定が選ぶのは日本語か英語のどちらかです。日本語とも英語とも判定できない片は、短く(5 秒未満)隣に判定できた片があればそこに含め、そうでなければ雑音として捨てます。会議の言語が決まっているなら、設定で固定してください |
| 窓を音声モデルに渡すのは、窓内の 1 秒ごとの音量(RMS)の最大が、0.004(約 -48 dBFS)と、そのトラックの底の音量(これまでの 1 秒 RMS の下位 10%。判定中の窓自身も含めて数えます)の 4 倍(+12 dB)の大きい方以上のときだけ | 会議の文字起こし(相手 / 自分のトラックごと) | 幻聴の防止です。 無音を渡すと音声モデルが文章を作ってしまいます(相手の無音トラックで「ご視聴ありがとうございました」が出ることを確認)。窓内の最大が -34 dBFS(RMS 0.02)以上なら、底に関わらず必ず文字起こしに渡します。底 × 4 の相対しきい値が効くのは、それより静かな窓だけです。部屋の雑音の底は通さず、小声でも底より十分大きければ通します。窓ごとに音声モデルの文脈を切るので、前の窓の出力が次の窓に引きずられることはありません。無音に近い片で、既知の定型句(Thank you / ご視聴ありがとうございました など)だけが出た場合は捨てます。はっきり話された場合は残ります |
| 片のうち音のある部分だけを、前後 1 秒の余白を付けて音声モデルに渡す。同じ側で一字一句同じ文が続いたら 1 つだけ残す。言語が「自動」のとき、6 秒未満の片は会議の言語で文字にする | 会議の文字起こし(片ごと) | 幻聴の防止です。 ほぼ無音のマイクで、20 秒近い無音の中の 1 秒の物音ごと音声モデルに渡したところ、作られた同じ文が 4 回続きました。最初の発言の前に 6 秒の無音が付いていたときは、発言が「ご視聴ありがとうございました」に化けました。繰り返しを捨てるのは 4 文字以上の文だけで、「はい」が続くのは残します。「はい」などの短い返事が英語(Hello. / Okay.)と判定されることが多かったので、判定済みの長い片が合計 15 秒以上あり、1 つの言語が 7 割以上を占めるとき、6 秒未満の片はその言語で文字にします。それぞれの側は、自分の集計が 15 秒溜まったら自分の集計を使います。それまでは両方の側を合わせた集計を使います。自分はほとんど話さないこともあるためです。そのため、相手が英語・自分が日本語の会議でも、それぞれの言語のまま残ります。長い片は判定どおりなので、日本語の会議の中の英語の発言は英語のまま残ります |
| 音声ノートの 清書する は、文字起こしを最大 120 行・約 5,000 字ずつに分けて、順に AI モデルへ送る | 音声ノートのブロックの 清書する | 送る大きさの都合で、ふるい落としではありません。 すべての行を送ります。長い会議はリクエストが何回かに分かれるだけで、進み具合は N / M で出ます。AI には、言いよどみと相づちだけの発言(えー・うん など)を除くこと、文脈から明らかな聞き違いを直すこと、1 人ずつの短い段落に分けることを頼みます。要約・付け足し・翻訳はさせず、そのままで意味の通る語は変えさせません。ブロックの前後にノートに書いたこと(議題やメモ。2,000 字まで。ブロック自身と、そこから書き出した文は除く)も手がかりとして渡します。AI には直した語をすべて書き出させ、画面で確かめられるようにしています。ノートの題と よく使う用語 を、合わせて 300 字までヒントとして渡します(長いときは末尾の用語側を残し、題の先頭を落とします)。書き出す を選ぶまで、ノートには何も入りません。文字起こし のタブには聞き取ったままの文が残ります。このパソコンで動くモデル(LM Studio など)では、1 回分の出力を入力の 3 倍+12,288 トークンまで(考えないモデルだと分かったあとは+1,024 まで)にして、同じ文を繰り返し続けても早めに止めます。上限で切れた回は温度 0.3 で 1 回だけやり直し、それでも切れたら清書全体を失敗にせず、その部分だけ元の発言のまま残します(名前を伏せるときは、その部分を省いた旨の 1 行にします) |
| 名前や連絡先を伏せる にすると、清書と要約で人名・組織名・連絡先・番号を置き換え、ノートに書き出せるのはそれだけになる | チェックを入れた音声ノートのブロック | 会議ごとに利用者が選ぶ伏せ方で、ノートのふるい落としではありません。 AI に印への置き換えを頼み、そのうえで 必ず伏せる語(300 文字まで)・メールアドレス・電話番号を Graphium が機械でも置き換えます。ほかに消すものはなく、聞き取ったままの文字起こしは録音と一緒にこのパソコンに残ります。名前や連絡先を伏せるを参照 |
| 発言なしの確率が 0.6 を超えた区間(最大 30 秒)は捨てる | 会議の文字起こし(音声モデルを通したあと) | 作り話を防ぐための仕組みで、品質の足切りではありません。 音声モデルは区間(最大 30 秒)ごとに「誰も話していない確率」を出し、0.6 を超えたものは作られた文とみなして外します。保存される文字起こしには各区間の値が残ります |
| モデルは large-v3-turbo(574 MB・推奨)、small(488 MB)、base(148 MB)の 3 つ。初回に取得する | 設定 → AI の 音声ノート | 精度とサイズのどちらを取るかは利用者が決めます。 large-v3-turbo は最も正確で、Apple Silicon での実測では small より速く正確でした(25 秒の録音で 3.4 秒 / 11.1 秒)。small と base は控えめなパソコン向けで軽いです。取得は 1 回だけで、このパソコンに保存され、設定から削除できます |
| 文字起こしはこのパソコンの中で動き、外に出ない | 会議の文字起こし | 上限ではなく約束です。 音声も文字も Graphium のデータの中にとどまります。通信が起きるのは初回のモデル取得だけです |
| トピックの種類付けは 1 回の AI 呼び出しで 50 件ずつ。読むのはタイトルと定義の 1 文だけ | 設定 → ナレッジの トピックに種類を付ける(取り込みの振り分けで新しいトピックに付く種類も同じ) | まとめて送る単位で、絞り込みではありません。 未分類のトピックはすべて送り、呼び出し回数は実行前に表示します。種類(概念 / 物質・材料 / 手法・装置 / 人・組織 / 場所)は一覧の種類列と全体グラフの表示切替にしか使わず、ページに何を書くかは変えません。ページのバナーでいつでも直せます |
この表で説明のつかない「隠れフィルターのような挙動」を見つけたら、それはバグです。Issue で教えてください。
Graphium とモデル、どちらの問題か切り分けるには?
対照実験を 1 つ回します。設定 → ナレッジ管理 → 知見をまたぐ洞察を発見 を実行し、結果の行——作成・支持追加・視野 n/m 件——を控えてください。カバレッジが全件に達し、支持追加はあるのに新規がないなら、パイプラインは全部を見た上で「いまあるパターンは既存の洞察で説明済み」と判断しています。次に 洞察モデル に強いモデルを割り当てて、もう一度実行します。強いモデルでだけ洞察が生まれるなら、ボトルネックはモデルでした。それでも出なければ、知見にはまだ新しい繰り返しのパターンが育っていません——ノートを書き足して、収束を待つのが近道です。
知見と洞察の違いは?
知見はノートや資料から取り出した命題 1 つ。洞察は知見から取り出した、他の分野でも通じる関係の型です。ノート → 知見 → 洞察という砂時計のくびれを成しています。全体像はナレッジ層のページをどうぞ。
知見・洞察は、元の資料から直接作られ常にオンのトピックの上に乗る、Graphium 独自の拡張です。設定 → AI の、既定で畳まれている 試験的な機能 にある 知見を使う で丸ごとオフにできます(初めて使うときは既定オフ、以前から使っている場合はオン)。オフにすると取り込み時の知見抽出が止まり(トピック段は同じ資料テキストから引き続き走ります)、洞察は知見から作るため洞察も一緒にオフになります。すでに作ったページは消えず、1 件でも残っていれば表示され続けます。
Graphium でタスク管理やプロジェクト管理はできますか?
タスク管理ツールとしては使えません。これは足りていないのではなく、引いてある線です。Graphium は起きたことを記録する場所で、タスク管理ツールはこれから起きることを追いかける場所です。後者は期限・担当・優先度・進捗という「更新し続けなければならない状態」を持ちます。Graphium はそれを保存しません。更新が止まった状態は嘘になりますが、記録は一度本当であれば足りるからです。
その代わり、計画の「記録の側」は持っていて、それで足りることも多いはずです。
| したいこと | Graphium にあるもの |
|---|---|
| まだやっていないことを書き留める | ノートの中のチェックリスト(/チェックリスト)。項目ごとにチェックの有無の 1 ビットだけ |
| 会議の決定事項と TODO を見る | 音声ノートの要約が、根拠の発言へのリンクつきで並べます |
| プロジェクトを計画して分解する | 「計画」フォルダのノート(計画ノート)とインデックステーブル。行ごとに工程ノートができ、予定の受け渡しは実績の横に点線で描かれます。フォルダを参照 |
| ノート横断でやり残しを見る | MCP でアシスタントに聞きます。list_todos が、まだチェックしていない項目をノートとブロックの ID つきで返します |
やらないこと: 項目に期限・担当・優先度を付ける、外からチェックを付ける、進捗のダッシュボードを描く。タスクを MCP の使えるツールで管理しているなら、両方を同じアシスタントにつないでください。「このノートのやり残しをタスクにして」は今日から使えますし、Graphium は相手がどのツールかを知る必要がありません。
