よくある質問
よく届く質問——特にナレッジ層の「なんでそうなったの?」——に正面から答えるページです。Graphium の設計方針は、ここで出会う数字をすべて 自分で決めたコスト か 手持ちのコーパスから実測された値 のどちらかにすること。隠れた品質フィルターは置きません。各質問をクリックすると答えが開きます。
洞察があまり生成されないのはなぜ?
洞察は抽象化です。モデルが知見を読み、元の文脈の外でも通用する規則(「可搬性テスト」)を取り出そうとします。あまり出ないときは、次の順で確認してみてください。
- 知見は収束していますか? 一回きりの事実の寄せ集めには、抽出できる繰り返しのパターンがありません。モデルには 無理にひねり出すより空のリストを返すほうがよい と明示的に指示してあるので、コーパスが若い・散らばっているうちは 0 件が正直な答えということもあります。複数の知見が同じ規則の周りに集まりはじめると、洞察が生まれます。
- 抽象化を担うモデルはどれですか? 洞察の生成には設定の チャット・洞察モデル が使われます。抽象化はパイプラインの中でいちばん難しいステップで、小さなローカルモデルは、強いモデルなら見つけるパターンでも空のリストや知見の言い換えを返しがちです。ここには最上位級のモデル(例: Claude Opus / Claude Sonnet)をおすすめします——「推論対応」や大きさだけでは足りないことがあります。目安の表は AI のセットアップにあります。洞察が少ないと感じたら、強いモデルを割り当てて発見をもう一度実行してみてください——同じコーパスで、変数はモデルだけ。強いモデルでも何も出なければ、限界はソフトウェアではなく素材の側にあります。
- 新規ではなく「支持追加」になっていませんか? 既存の洞察とよく似た候補は捨てられるのではなく、その洞察の裏づけとして取り込まれます。結果パネルには 支持追加 として件数が出ます。支持追加が出ているなら発見は機能しています——洞察が増える代わりに、手持ちの洞察が強くなっているだけです。
- 本当に全部見終わっていますか? スキャンは実測カバレッジを 視野 n/m 件 として報告します——手持ちの知見のうち、少なくとも一度は視野に入った数です。取り込み時のスキャンには予算があるので(下の質問を参照)、大きなコーパスは設計上、一度の取り込みでは一部しか見ません。全体をくまなく見たいときは、設定 → ナレッジ管理 の 知見をまたぐ洞察を発見 を実行してください。実行前に全件を視野に入れるのに必要な LLM 呼び出し回数の実測値が表示され、終了後には到達したカバレッジが報告されます。
Graphium がこっそり件数を制限していませんか?
していません。品質を理由に黙って捨てる処理はありません。モデルの確信度(confidence)は記録・表示されるだけで、候補の破棄には使われませんし、スキャンが作るべき件数の下限・上限もありません。知見も同じで、抽出器には「持ち運べる主張はすべて収穫する。固定の上限はない」と指示してあります。
存在する数字は次の 3 種類に分かれ、それぞれ理由を確認できます。
| 数字 | 何か | なぜあるか |
|---|---|---|
| 取り込み時のスキャン回数(既定 3) | 設定 → AI にあるユーザー設定。1 回のスキャン = 知見のクラスタ 1 つに対する LLM 呼び出し 1 回 | コストの制御——決めるのはあなたです。 0 にすれば取り込み時のスキャンを止められます。結果には必ず実測カバレッジが表示されるので、どこまで見た・見ていないが分かります |
| 全件カバーに必要な回数 | 知見をまたぐ洞察を発見 の確認ダイアログに表示 | 設定値ではなく実測値。 知見の分布から計算され、すべての知見が一度は視野に入るまでスキャンが回ります |
| 1 回の呼び出しは知見 50 件まで・本文は先頭のみ | 内部のスライスサイズ | コンテキスト長の保護 ——これ以上入れるとモデルの入力から静かに溢れます |
| 重複判定のしきい値(embedding 類似度) | 候補を「新規」と「既存の洞察に一致」に振り分け | ほぼ重複は支持追加になります。新しいページを作る代わりに、一致した洞察が新しい裏づけの知見を得ます。捨てられるものはありません。embedding モデル未設定のときは、この判定は素通しで全部新規扱いです |
| 1 回の呼び出しで候補 0〜8 件・洞察 1 件の関係は 3 本まで | プロンプト側のレンジ | 出力の暴走ガード です。ナレッジの上限ではありません——スキャンを重ねれば見つかったものは追加されていきます |
| スキャンには知見が 2 件以上必要 | 実行の前提条件 | 知見をまたぐパターンには、またぐ相手が要ります。知見が 1 件では、まだ突き合わせる対象がありません |
| 実在しないソース ID の候補は破棄 | パーサのガード | ハルシネーション防御 ——存在しない知見を引用する候補は、壊れた参照つきで保存する代わりに破棄されます |
この表で説明のつかない「隠れフィルターのような挙動」を見つけたら、それはバグです。Issue で教えてください。
Graphium とモデル、どちらの問題か切り分けるには?
対照実験を 1 つ回します。設定 → ナレッジ管理 → 知見をまたぐ洞察を発見 を実行し、結果の行——作成・支持追加・視野 n/m 件——を控えてください。カバレッジが全件に達し、支持追加はあるのに新規がないなら、パイプラインは全部を見た上で「いまあるパターンは既存の洞察で説明済み」と判断しています。次に チャット・洞察モデル に強いモデルを割り当てて、もう一度実行します。強いモデルでだけ洞察が生まれるなら、ボトルネックはモデルでした。それでも出なければ、知見にはまだ新しい繰り返しのパターンが育っていません——ノートを書き足して、収束を待つのが近道です。
知見と洞察の違いは?
知見はノートから抽出された、根拠つきの主張 1 つ。洞察は複数の知見にまたがって現れるパターンです。ノート → 知見 → 洞察という砂時計のくびれを成しています。全体像はナレッジ層のページをどうぞ。
